後輪駆動車の場合、車自体はアンダーステアな特性でも、過度なパワーをかければ基本的にはリアがスライドしてしまいます。
車に乗っているわけじゃないラジコンでは、リアのスライドが始まったときに車の姿勢を修正するのはかなり難しいです。
4WDならカウンターを当ててパワーをかけ続けることで、スピンモードに入った車を一気に立て直すこともできますが、後輪駆動だとちょっと現実的ではないですよね。
なので、コーナリングスピードを多少犠牲にしてでも、フロントタイヤのグリップを落として加速時に巻かないセッティングというのがあると思います。
ただ、自分のM06の場合、前後同じタイヤでも走れたりして、無理にフロントのグリップを落とさなくても気持ち良く走れたりします。
この状態では、フロントグリップを落として操作性を上げているWさんのグースと走ると、コーナリングスピードではこちらに余裕があり、立ち上がりは少し安定感がない(単に操作技術の改善で何とかなるかも)感じです。
ただ、先日は、タイヤが路面温度にばっちりあってしまったこともあり、駆動輪が徐々に熱ダレしてフロントグリップが勝ってしまう状況になっていたようです。
なので、多分、自分のM06の場合、少し高温側に対応したタイヤを使うことで、走行中の前後のグリップバランスが整うのでは無いかと思ってます。
この熱ダレの件は、まだ検証中なので、確たる自信があるわけではありませんが、タイヤを前後36Rにしたときには、全体的なグリップが低くなってしまう意外は問題なく走れましたので、そう外れていないはずです。
じゃあ、FF車はどうなのかと。
ちょっと話がそれますが「FFはリアが軽いからリアタイヤはグリップが高い物が必要」と良く言われます。でも、なんかこれ、しっくりこないんですよ。
FFは、フロントに重心が偏っているので、リアよりフロントのグリップが高いのは間違いないですけど、リアが軽いってことは遠心力もあまり働かないはずで、グリップがあまり高くなくてもスライドしないはず。
となると、何でFFのリアタイヤはすっぽ抜けやすいのかという疑問が残るわけです。
これは多分、重心の位置に関係しているんじゃないかと考えてます。
下に簡単な絵を書きました。四角が車体を横から見たところで、向かって左に車が進んでいるとします。(A)が重心が前よりの場合で(B)が重心が後ろよりの場合です。Xが重心の位置です。
(A)
+----------+
<-- | X |
+----------+
O O
(B)
+----------+
<-- | X |
+----------+
O O
ステアリングを切ったりしてフロントタイヤに抵抗が発生すると、フロントタイヤを支点にして重心が前方に回転しようとします。
(A)では支点に対して重心が真上にありますので、車体の慣性がほぼすべて車をピッチングさせる方向に使われます。
(B)では、フロントタイヤよりかなり後ろに重心がありますので、車をピッチングさせる力はそう大きくなく、リアタイヤを持ち上げるような方向に力が働きにくいことになりそうです。
この絵ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、例えば、自転車に乗っていて、ハンドルに体重をかけた状態でフロントブレーキをかけると体が前方に投げ出されてしまうのに対し、サドルより後ろに腰を引いてブレーキをするとしっかりフロントタイヤに荷重がかかり減速できる・・・ということで体験できるとおもいます。
となると、FFのターンインでリアが滑らないようにしようとした場合には、以下のような対策が有効と言えそうです。
①重心を出来るだけ低くする
→支点と重心の位置が近づくとピッチング方向の回転が弱くなる
②リアの出来るだけ後ろに重りをつける
→同じ重さなら出来るだけ支点から遠いところにつけることで、リアが持ち上がりにくくなる
③ステアリングを切り過ぎない
→スリップアングルをつけるとブレーキがかかります。少ないスリップアングルにして、車が出来るだけ転がるようにしてターンインさせます
④アクセルを残したままにする
→モーターや駆動抵抗によるブレーキングを弱めることで荷重移動が起こらないようにします
③や④を実現するためには、ハイスピードでコーナーに突っ込むのは厳禁で、スピードが高すぎたら直線部分で減速してからターンインするという操作が必要になります。
しかし、駆動輪は温度が上がり易いので、FFの場合は前後のタイヤを違うものにするのは非常に理にかなっているのかなと思います。
仮に、適温よりも低温向けのタイヤを使うことで、フロントが熱ダレしてグリップバランスが良くなるという可能性もありますが、熱ダレした状態ってタイヤの磨耗も激しいはずなので、現実的ではありませんね。
なので、上記①と②を試してだめならM05は前後異なるタイヤでなんとする方向にします(^^ゞ
M06は、私の整理が正しいなら前後同じタイヤが(操作の難しさは残りますが)一番速く走れるはずなので、前後同じタイヤでもう少しやってみる方向で。
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